図書館の奥の部屋にいました。部屋の外を歩く高校生らしきグループが、小声でキャッキャと話しています。男2女2、ダブルデートでしょうか。人が多いので4人で一緒に座れる席を探して、館内をうろうろと回っているのかもしれません。私の近くに座っているおじさんのせき払いが「うるさいよ」と言っているように聞こえました。
本当は私も他の席に座りたかったのです。空いていなくて仕方なく奥の部屋に来ていました。最初は新聞を読むおじさんと2人だけでしたが、気付いたら人が増えていて、みんなおじさんでした。
少しして別の学生たちがやってきました。一歩だけ中に入り、見渡してすぐに出ていったのです。仕方ありません。音を立てて新聞をめくり、舌打ちを繰り返すおじさん。そして、一切それに反応せず本を読み続けるおじさんたち。
若者の目には、魔物の群れのいるダンジョンのように映ったことでしょう。