知らない道を通っていると、間違えて住宅街へと入っていくことがあります。こちらはその道の初心者なので、他の車と方向が重なったときなど譲ることが多いです。
1年か2年ほど前だったと思います。そのときも住宅街へと入ってしまい、細い道を進んでいました。のん気そうなおじさんの乗ったバンが、柵を挟んですぐ横の道から出てきました。どうぞと手で合図をします。気の良いおじさんも、同じように手で合図をして、こちらに譲ってくれます。
気づくのに2秒ほどかかりました。おじさんの正体は私です。日差しよけなのか、大きなアクリル板が民家の柵に備え付けてあったのです。ピカピカのアクリル板には、左右反対の私が写っていたのです。自分が年を取ったと、まじまじと考えさせられる出来事でした。軽のバンに乗っているせいもあるのでしょう。あのおじさんは実年齢より10歳は老けていたと思います。
数日前、ガラスに映る自分を見て思いました。最近痩せたおかげで、少し若返ってきたと。そして、思い出すのです。のんきな、左ハンドルのおじさんを。