青野ノリフミの「戻りました」

エッセイ・随筆。休憩から戻ったときに思い出したり、人に話したりするような、気軽に読めるものを書いています。

生きているんだから、しゃべらないと

隣の県におしゃれな図書館があります。

館内にある人気のカフェで、コーヒーを一杯注文。少し高く感じる価格も、駐車場が無料であることを考えるとお釣りがきます。飲食可能なスペースがあり、カップルや家族での利用者が多く、人によっては図書館の中なのに、うるさいと思うかもしれません。

 

コーヒーは残り半分。本を読むと夢中になります。出しっぱなしのレシートが時間の経過を教えてくれます。最終的に3時間ほどいたようです。

夜になると、家族で利用する人も少なくなり、カップルも勉強に励む真面目な人の割合が高くなってきました。利用者の層が変わってくるのです。仕事帰りの人も多くなり、気付いたらコーヒーも残り僅か。10秒おきに、せき払いをするおじさんが近くの席に座ったので、うるさくなり帰ることにしました。

 

「生きているんだから、しゃべらないと」印象深いセリフがありました。本の中ではなく、外から聞こえてきたセリフです。高齢カップルの男性が言っていたのですが、静かにするように注意されていたのでしょうね。

私は納得しつつも、いつも1人の自分が、生きていないのかという疑問が生まれます。いや、頭の中では「こうなのか、ああなのか、こうでもない、ああでもない」とごちゃごちゃとしゃべっているのです。こいつは誰よりもうるさい、しかも1人です。

 

私は2年以上誰とも遊んでいませんし、仕事や支払などの手続以外で電話もしていません。静かすぎる。

私には友人が必要なのかもしれない、うるさいと思うくらいの。