青野ノリフミの「戻りました」

エッセイ・随筆。休憩から戻ったときに思い出したり、人に話したりするような、気軽に読めるものを書いています。

真っすぐ進む中学生男子。よかった。ぶつからなくて。

よかった。ぶつからなくて。

歩道で両手を広げ踊りながら進む挙動不審な、中学生男子。その先には道の真ん中でスマホに夢中な、中学生女子。

どちらが悪いのか分かりませんが、女子はスマホに夢中で周りが見えていないのに対して、男子は踊りながらとはいえ前が見えている。しかたなく男子が端を歩くとばかり思っていたのですが、男子は踊りを止めただけで、さほど避けることなくスッと横を通ったのです。

道を塞ぐ相手に対して自分が動くのが嫌だったのでしょうか。それとも女子のことが気になり近くを通ったかもしれません。思春期だから、異性を意識しているのを認めたくなくて、真っすぐ進んだ可能性もあります。

私が中学生だったらどうだったでしょうか。そもそも踊らないと思いますが、今の子供たちはダンスを習うと聞きます。もしかしたらあの男子のように、いや男子より派手に踊っていたかもしれない。

よかった。習っていなくて。

そんなことを、信号を待ちながら考えていた、中年男子。