私は人の顔を覚えるのが大の苦手です。友達ですらイメチェンをしたら、誰だか分からなくなる自信があります。まるで他人になるのです。
顔が覚えられない、相貌失認という病気だと思っていました。ですが、どうも違うようです。10代の頃は、同級生の顔はほとんど覚えていましたし、習い事で校外の人とも接していたのに不便を感じだことはありませんでした。頭の病気やケガによって後天的に覚えられなくなるということもあるらしいのですが、心当たりがありません。
私の場合は精神的な、若しくは考え方によるものかもしれません。意外と周りの人が、他人の顔を覚えていないということに驚いたことがありました。それから覚えなくていいと錯覚し、いつの間にか覚えるのが苦手になり、苦手だから覚えないという負のループです。転職も多く、たくさんの別れも経験しました。そのうちまた転職するかもしれないから、覚えようとさえ思っていないのかもしれません。そして、顔見知りでも、自分から話しかけないことも多いです。
最近入ってきた新人さんにも同じでした。数日前から見るようになった、肌が白く髪の色は黒で目がキリッとした若い女性。休憩室で一緒になったので何か聞かれるかもしれないとは思っていましたが、自ら進んで話しかけることはしませんでした。その女性に他の部署の人が「かわいくなったね」と話しかけたのです。前によく見かけていた金髪のメガネの女性が、イメチェンをしていただけでした。服も少しオーバーサイズのように見えることから痩せたのでしょう。話しているのを聞くまで、完全に新人さんだと思っていました。本当に他人のようにみえたのです。
そして、改めて顔を覚えることが苦手であると実感しました。友達にはぜひそんなことがないように、イメチェン禁止令を出すしかありませんね。
禁止までしたら私のことを大の苦手になって、それこそ他人になってしまうかもしれませんが。