青野ノリフミの「戻りました」

エッセイ・随筆。休憩から戻ったときに思い出したり、人に話したりするような、気軽に読めるものを書いています。

危険・ホワイトボード記憶術失敗談

ホワイトボード記憶術。結果から言うと失敗しました。そのときのお話。

記憶術の本を何冊も読み、記憶術の仕組みがなんとなく分かりました。頭の中に大きなホワイトボードがあったという人の存在も知りました。それらを組み合わせて考え、実際にホワイトボードに書いたものを記憶できるんじゃないかと思ったのです。

ノートに書いたりする記憶術もありますが、ノートだと身近すぎます。私にとって身近すぎず、特別すぎない、そんな絶妙な感覚のものがホワイトボード。これなら習得できやすそうだと思ったのです。自分で考えたときのデメリットは、自信のなさです。でもホワイトボード記憶術には数ある記憶術の仕組みを取り入れようと思っていました。それなら必ず成功するはずです。

まず頭の中にホワイトボードを作る方法ですが、ヒントはある漫画からです。その漫画のキャラクターは特殊能力を習得するときに、ずっとそれだけで遊ぶように指示されたそうです。

こんなことを書くと漫画と現実の区別がつかないと思われるかもしれませんが、人間の脳みそなんて、案外漫画みたいなものだと思うときがあります。それこそ漫画に出てくる天才のように記憶できる人も実在しているわけなんですから。記憶術は技術的な部分も大きいですし不可能はない、失敗するわけがありません。

しかし、大きな問題がありました。ネットで調べたらホワイトボードの値段は2万円弱。2万円なんて私には大金です。場所も取るでしょうし、引っ越しの予定もありました。そこで習得がある程度見えてきてから買おうと思ったのです。五感で感じ取る前に、頭の中だけで感じてみようと。

それからは暇なときはホワイトボードのことを考えるようになりました。試しに目をつぶって自分のベッドなど家具の形を思い出してください、家電でもいいです。なんとなく思い浮かぶでしょう。そして、目を開けて考えてももちろん思い浮かびます。それを四六時中トレーニングしていました。

そして特殊能力「ホワイトボードの具現化」の成功は目前です。

だんだんと強く感じるようになってきたのです。そう、頭から離れないくらいに。悪夢のような。経験があると思います、考えては駄目だと思ってもつい考えてしまうことが。

私は運転中にホワイトボードに追いかけられてしまったのです。迫りくるホワイトボード。具現化は思っていたものと違いました。

ホワイトボード記憶術・大失敗。